数字とのコミュニケーションって難しい。
時間やお金は流れているエネルギーだから、その流れに身をまかせれば良いのに、人間社会では全て数字で管理してしまう。
その数字に囚われている時、きっと私たちはその流れに逆らって、溺れているんだと思う。
タオさんは数学の宿題、めぐさんは仕事の棚卸し、私は確定申告。それぞれが数字に翻弄されてグッタリとした一日だった。
タオさんは自分の身体の変化に敏感で、疲れたらこてんと眠ってしまう。
周りに合わせて頑張っていた頃は偏頭痛やアレルギーに悩まされていたが、今は嘘のように無くなった。身体って正直だなって思う。
私も確定申告の最終チェックをしていてさまざまな数字とコミュニケーションしていると、ざわざわと不安が込み上げてきた。現実に起こっていないことについてあれこれ思い悩むことで、人間はどのくらいの時間を失っているのだろうか。
チャチャっと数字を記入し、国税庁のホームページを閉じて夕ごはんの支度。
今日も子供達が台所へ立つと言う。
トンカツを作るので、マルちゃんが肉を一口サイズに切り分け小麦粉にまぶし、キコさんが卵液に浸してパン粉をつける。私は揚げ担当。とてもスムーズに調理が進んでホッとした。
そういえば、マルちゃんがYouTubeで小麦粉や片栗粉を粘土のようにして遊んでいる動画を見てやりたいと言っていた。
人に口出ししたくないけど、地球上では食べるものに困っている人がわんさかいるのに、世界中の人々が見ているプラットフォームで食べ物をおもちゃのようにする人の気持ちが分からない。
「これは食べ物だから、遊ばないでね。」
余った小麦粉をいじっていたマルちゃんに強めに言ったら、一応は理解してくれたみたい。しかし、別の動画で見た、ビニール手袋を使った手のゼリーは絶対作るからね、と言って目を輝かせていた。
夕ごはんはトンカツとじゃがいもの素揚げ、ほうれん草とニンジンと八朔のサラダ。
キコさんからトンカツのリクエストが来て、今日が肉の日だと知ることが出来た。
2月9日は肉の日。
今日は色んな数字に翻弄された1日だったな。