日曜の朝市は原爆記念日の為、お休みだった。
赤シソジュースに使う赤シソはスーパーでは梅を漬ける頃しか出回らないけど、産直市では九月いっぱいは手に入る。
さて、どうしようかなと思っていたら、めぐさんが出勤途中に赤シソを見つけてくれた。
赤シソを受け取りに行って、帰りに八百屋へ寄ると赤シソを見たお店の方が
「母が生きとった頃は毎年赤シソジュースを作ってくれたんよ。夏はあれを飲んどけばええよねえ」と言った。
だったら作ればいいのに。そう思いながらトマトときゅうりを買ってお店を出た。
久恵さんも来て、一緒にお昼。
海苔巻きと夏野菜をのせた冷やムギ。
野菜の下ごしらえにバタバタして、豚肉を茹でるのを忘れてしまった。
簡単でそれなりに美味しい出汁パックを見つけて、長らく昆布や鰹節、いりこを使って出汁を取っていない。
今日も出汁パックに醤油と味醂で即席の出汁を作った。
久恵さんと祖母の作った冷やムギがおいしかったと言う話になる。
なんて事のないガラスの器に麺を載せて、千切りにしたきゅうり、卵、ハムにミョウガやショウガが添えられて、干し椎茸の効いた出汁がかけられていた。
ありきたりの材料しか使っていないのに、祖母の料理は小宇宙のように、バランスが良く美味しかった。
だったら作ればいいのに。
うん、そうだね。分かっているんだけどね。