朝、ゴミを捨てるために外へ出ると、大きなメタセコイヤに新しい緑の葉がついていた。
家の周りの木々の中でメタセコイヤが一番遅くまで葉をつけているけど、新芽が出るのも一番遅い。
ここから、いろんな木々の新緑を楽しむ季節がやってくる。ああ、浮かれっぱなしだな‥
朝ごはんはめぐさんのお腹の調子がいまいちなのでお粥。食後にコーヒーとお団子。
仕事をしている時に音楽をかけている。
なるべく、感情が波立たない曲を書けるようにしているけど、浜崎あゆみさんの「YOU」という曲が流れて手が完全に止まった。
春の風といえば古今集でも山家集でもなく浜崎あゆみさんなのだ。
ある短い時期にだけ、聴きたくなる曲や着たい服がある。それに気づくことが出来た時、なんとも言えない満たされた気持ちになる。
私の中にある、小さいけど大切なサインに気付ける喜び。
きっと毎日、いや一瞬一瞬そんなことがあるのだと思う。気付くことが出来ないだけで‥
昼ごはんは子供達に味噌ラーメン。私は朝のお粥の残りを頂いた。
台所で夕ごはんの支度をしながら、コーヒーを淹れながら、トトコミュニケーションズの仕事もする。
目の前にある命とコミュニケーション。どんなに悩んでも夜はやってくるし、お腹は空くので手は動く。
こうして自分の仕事の答え合わせをする。台所の延長線上に私の仕事がある。心が折れそうな時だってあるけど、そこに喜びを感じるから続けることができる。その喜びの源が台所での営みと同じであるかどうか、いつも省みていたい。
夕ごはんは鶏肉の竜田揚げのレタス巻き、ブロッコリの胡麻和え。
新学期を迎える子供達にエプロンを縫ったり、ランドセルの手入れをしたりする。
夏休みや冬休みが明ける時の憂鬱さは子供達からは感じられない。なんとなくそわそわしたりウキウキしたりといった高揚感を感じる。
しかし、誰よりも新学期を心待ちにしているのは、きっとこの私だと思う。