天気が良くて、家で仕事をする気持ちになれない‥
無理やり、用事を作って外へ出る。
川沿いのベンチに座って、ただ風や光が通り過ぎていくのを感じる。
植物は太陽の光を固定して、私たち人間が生きていくためのエネルギーを作り出してくれる。
私に光合成をする機能があれば、ずっとこのベンチに座って仕事をするのにな‥
服を着るのは好きだけど、なんだか窮屈になって、何もかも脱ぎ捨ててしまいたくなる時もある。
しかし、大人になると裸になれる場所って限られてくるのよね。
夏の海、プール、お風呂、布団の中
どれも、魅力的だけど一人じゃつまらない。
ベンチでそんなことを考えていたら、銭湯を思いついた。
近所にある昔ながらの銭湯に行って、おじいちゃんたちと一風呂浴びた。
身体中にタトゥーを入れているので、大抵の銭湯は入れないけど、ここは誰でもお入り下さいとのこと。
お湯の流れる音を聞きながら、ひたすら黙浴。
目には見えないこびりついたものが洗われ、流されていく。
いつも思う。何か足さずとも、余計なものさえ削ぎ落としていけば、全て整っていくんだって。
銭湯を出て、ようやく仕事モード。
スーパーに寄って夕ごはんの買い物。
焼肉のセットを買って帰ると、子供達は喜びを通り越してきょとんとしている。
「今日、何かのお祝いだったっけ」とニコニコ顔。
大袈裟かも知れないけれど、彼らにとって台所に立っている私は太陽と同じなのだと思う。
私は光合成が出来ない。
しかし、光合成によって育まれた命とコミュニケーションして、新たなエネルギーを紡ぎ出すことは出来る。
誰かや何かにとっての太陽になれる場所、それはきっと誰にでも与えられているのだと思う。