様々な節目があるけれど、土用は移り変わりの時間として心も体も反応してしまう。
特に最後の日なんて、大晦日などとは比べ物にならないくらいナーバスになっている自分がいる。
家の片付けをしながら大豆を戻す。
豆まきの鬼は外、福は内ってなんか好きじゃない。そんなことしているから、人間の心に不安や恐怖がすくすく育ってしまうのだ。
それに、鬼を本気で怖がる子供の姿が心から気の毒になるので、数年前から豆まきをしていない。
だけど、大豆は大好きで、2月がくると味噌作りと相まって、とにかく大豆が恋しくなってしまう。
ボールの中で水に浸けたまんまるの大豆が、ゆっくりと元の形に戻っていく。
その様子を見ていると時間の持つ力って改めて偉大だなって思ってしまう。何でもかんでも早くて便利が良しとされる世界で、毎年何にも変わらないものがあることにホッとさせられる。
タオさんのリクエストで、キンパが作りたいとのこと。
材料だけ揃えてくれたらあとは自分で作ると言われたので、海苔、ほうれん草、卵、お肉やコチュジャンなどを用意しておく。
今まで、何度か一緒に台所へ立ったことがあるけど、レシピに忠実にやっていくので大抵美味しい料理が出来上がる。
包丁がまだうまく扱えなくて人参の千切りが太いとぶつぶつ言っていたけれど、今日のキンパもなかなかの出来だった。
このエネルギーが勉強にも流れて欲しい。親は切に願っています。
夕ごはんはキンパ,もやしと豆腐のスープ。
「鬼来るん?」と本気でビクビクしていたマルちゃんも、夕ごはんを食べた後、豆まき用の大豆を食べている頃には「鬼、警察に捕まったんかね。」ってニコニコしながら言っていた。
鬼も福も自分の中にいることを、いつになったら気づくだろうか。