時々、マルちゃんは理由なく幼稚園を休む。
私は彼女の意見を尊重したいし、無理やり行かせるために自分のエネルギーを使いたくない。
でも、私は仕事をするので基本ほったらかし。
すると、一日中スマホやゲーム機をいじくったりしてるんだけど、全然楽しそうじゃないのだ。能面のような無表情の彼女を見ていると仕事は手に付かなくなる。
公園へ誘ったり、一緒におやつを食べたりする時もあるけど、今日は一緒に台所へ立った。
包丁を持たせると、途端に顔がいきいきしてくるのが分かる。真剣な顔をしてネーブルの皮をむいでいく。
好きでスマホをいじっているわけじゃないのだ。大人だって気づくと能面になって時間を潰すようにスマホをいじくっている時があるもんね。
結局仕事は一旦中止。するとキコさんが帰宅して、ひまだから夕ごはんを作りたいと言ってきた。
私はダイニングテーブルで仕事をしながら、キコさんとマルちゃんに台所を任せる。
夕ごはんはゴロゴロ野菜の豚汁、生ひじきとごぼうの炒め物(こちらは私が作った)。
何かを成し遂げた時、子供達はご機嫌だ。滞っていたものがどんどん流れてるっていうすっきりした顔。
押し付けた用事は絶対しないけど、きっと役に立てたという喜びを彼らは知っていると思う。
楽をしたいけど、やっぱり生きているのだからこの世の役に立ちたい。大人だって一緒よね。
冬土用真っ最中、曇っている心の中をかき混ぜてみる。
これも、きっとお母さんの大切な仕事なのよね。